2006/05/16

なけなしのラブストーリィ

  • Natsuno07 書名「なけなしのラブストーリィ」
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和58年11月20日」

収録作品

  1. なけなしのラブストーリィ (りぼんオリジナル 58年春の号)
  2. ABCは知ってても・・・ ( 〃 58年初夏の号)
  3. 今6月の草木の中の ( 〃 58年夏の号)
  4. 俺達は青春じゃない ( 〃 58年秋の号)
  5. 森江の日 ( 〃 57年冬の号)

思い出

 清原さんの・・・「おんなのこの悩み」シリーズです・・・割とリアルに赤裸々に「等身大」の女子高生の姿を・・・清原さんらしく軽いギャグで流しながら・・・まじめに描かれているんじゃないかと・・・男の私が言っても説得力ないけどw

 姉の影響で・・・「りぼん」「別マ」「別フレ」「花ゆめ」と読んでいた(別コミだけは読んでなかったな。なぜか)私ですが・・・だんだん恋愛描写が過激になっていく状況に付いていけなくなり・・・特定の作家さんだけを追っかけて行くようになっていったあのころ・・・清原さんの作品については・・・なぜかすんなり「受け入れて」読み続けていました。
 主人公の女の子達の向こうに・・・「真剣に悩んでいる花岡ちゃんの姿」が隠れているような気がするのですよ。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2006/05/01

ゴジラサンド日和

  • Natsuno06書名「ゴジラサンド日和」
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和59年7月18日」

収録作品

  1. ゴジラサンド日和 (りぼんオリジナル 59年春の号)
  2. ローズガーデンの午後 ( 〃 57年夏の号)
  3. 思い出のトロピカル・パラダイス ( 〃 57年秋の号)
  4. 粟田洋館栗羊羹殺人事件 ( 〃 58年冬の号)

思い出

 「新説 赤い糸の伝説」・・・赤い糸の伝説の相手は「一人ではない」・・・当たりは「ひとつ」だけじゃない。「前後賞」も「組ちがい」もある・・・という、説得力のあるような無いようなw会話が出てくるお話
 でも、この説・・・妙に納得しました・・・さて、私の今の連れ合いは「何等」ぐらい何だろうw

 表題作は、この説が出てくるとおり・・・「振られた女の子」と、彼女を慰める「老人」との交流を描いたw・・・妙に爽やかな青春物語です。

 「ローズガーデン・・・」と「思い出の・・・」の2作品は、前回紹介した「未来より愛を込めて」の続編・・・アレックスの登場するタイムマシーン物語・・・前巻に「3部作」となっておりましたので・・・すっかりこの2話の存在を失念しておりました。

 「粟田洋館・・・」は、フジの昼ドラでやるような・・・ちょっとドロドロとしたお話ですw

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2006/04/20

未来より愛をこめて

  • Natsuno05 書名「未来より愛をこめて」
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和58年3月20日」

収録作品

  1. 未来より愛をこめて (りぼんオリジナル 56年冬の号)
  2. 秘密の園から ( 〃 57年早春の号)
  3. ロゼ ( 〃 57年初夏の号)
  4. 飾り窓のあかね姉さん (りぼん 57年5月号)

思い出

 アレックスタイムトラベル3部作・・・とは言っても・・・「タイムマシンで過去や未来を行ったり来たり」って話ではなく・・・「コンピュータに管理される未来はバラ色か?」というお話。
 ただ・・・3部作で「結論」が出る話ではなく・・・「問題を提起」して終わってしまったような・・・余韻の残る作品です。(実際は続編があるんですけどね)
 「作品かいせつ」に・・・「清原なつの先生お得意の、SF3部作です。」となっているように、「SFマンガ」がジャンルとして「あたりまえ」になってきたころの作品ですね。

 「飾り窓のあかね姉さん」は・・・こちらは清原さんのもうひとつの流れ・・・「大人の女性」シリーズですねw

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006/03/16

真珠とり

  • natsuno04書名「真珠とり」
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和57年6月20日」

収録作品

  1. 真珠とり 
    PATTERN・1 小夜子(りぼんオリジナル 56年春の号)
    PATTERN・2 華子さーん ( 〃 56年夏の号)
    PATTERN・3 まりあ ( 〃 56年秋の号)
  2. 私の保健室へおいで・・・ (りぼん 56年11月号)
  3. 胸騒ぎの草むら ( 〃 54年7月号)

思い出

 真珠とり三部作・・・清原さんの「本格SF」・・・それまでも「萩尾さん」とかの作品とかはあったけれど・・・当時は「少女マンガでSF」ってのはなかなか「茨の道」w・・・本誌ではなく「オリジナル」だから出来た連載かも?
 でもやっぱり・・・当時はまだ「SF用語」は一般的ではなく・・・本編中に「コールドスリープ」とか「ウラシマ効果」とかの簡単な解説付き

 「小夜子」「まりあ」の2本は・・・なんか物悲しい「SF」・・・女性の不安な気持ちが伝わってきます。
 「華子さーん」は、コメディぽいのですが・・・火星植民地独立という、割と古典的なお話。

 「私の保健室・・・」は、その後も書き続ける「おんなのこ」シリーズのはしりですかね?・・・当時の少女マンガの(特にりぼんのような)「夢見る女の子」の雑誌に、わりとなまなましい「女性」のお話は・・・SF描くより困難だったのでは?

 「胸騒ぎの・・・」は、「くしゃみ植物」として嫌われている「セイタカアワダチソウ」のお話・・・なんだけど、花の名誉のために一言・・・「セイタカアワダチソウ」は「くしゃみ」や「喘息」とは無関係です・・・あんな姿の花ですが「花粉は飛ばさない」のです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006/03/07

3丁目のサテンドール

  • natsuno03 書名「3丁目のサテンドール」
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和56年12月19日」

収録作品

  1. 3丁目のサテンドール (りぼん 55年10月号)
  2. 鶴姫哀話 (りぼん増刊号 54年11月)
  3. 流水子さんに花束を ( 〃 55年11月)
  4. なだれのイエス (りぼん 56年3月号)

思い出

 清原さんの「バラエティに富んだ、ユニークなコメディ」集・・・と、作品解説に書いてあるのだが・・・この方の作品は、単純に「コメディ」と分類してしまって良いのやら?・・・なんか、奥に「深い意味」があるような無いような・・・

 表題作は、良家のおぼっちゃまと家出をした少女・たこ焼き屋のマスターのお話・・・絶対にあり得ないような設定の中で・・・こぢんまりとした世間話が進められます。

 「鶴姫~」は・・・「漫画」を描く「鶴の恩返し」w・・・そのまんまのお話です・・・が、妙に「もの悲しいさ」を感じさせるのはなぜ?
 「流水子さんに~」は、そのタイトルどおり「アルジャーノンに花束を」を下敷きとしたお話。
 「なだれの~」は「花岡ちゃん」シリーズの1編・・・今回も花岡ちゃんは悩んでおります。

 うん・・・ほんと「コメディ」と一言では片付けられない「深読み」の出来る話ばかりですね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2006/03/01

飛鳥昔語り

  • natsuno02書名「飛鳥昔語り」清原なつの傑作集2
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和55年7月20日」

収録作品

  1. 飛鳥昔語り (りぼん 53年7月号)
  2. チゴイネルワイゼン (未発表 新人漫画賞佳作)
  3. ぼくの中のアリスへ (りぼんデラックス 53年冬の号)
  4. 村木くんの猫ぶるーす (りぼん増刊号 53年10月)
  5. 桜の森の満開の下 (りぼん 54年4月号)

思い出

 飛鳥昔語り・・・大化の改新の時代の実在人物「有間皇子」のお話・・・中大兄皇子に疎まれ、狂人のフリをして、謀反の意志がないことを示していたのですが・・・というお話。
 清原さんらしく・・・主人公の「心の葛藤」が伝わってきて、どんな歴史小説よりも解りやすい・・・と思って読んでいると、いきなりSFになってしまうお話です。

 同時収録の作品も・・・登場人物の気持ちがストレートに伝わってくるお話が多く、加えて独特のユーモアあふれる作品。

 チゴイネルワイゼンは、りぼん新人漫画賞佳作入選作だとか・・・雑誌には掲載されませんでしたが、単行本に収録。
 内容は・・・「まんがを描くのは好きだけれど・・・好きなことだけを描いていたいのだけれど・・・プロになるからには自分を曲げて、読者にサービスをしなくてはいけないのだろうか?」・・・という、なかなか奥深いお話。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2006/02/16

夏からの手紙

  • tabuti06書名「夏からの手紙」田淵由美子傑作集5
  • 著者「田淵由美子」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和55年7月20日」

収録作品

  1. 夏からの手紙 (りぼん 54年8月号)
  2. あなたに・・・ ( 〃 53年4月号)
  3. 雨の糸をつむいで ( 〃 53年6月号)
  4. 百日目のひゃくにちそう ( 〃 53年9月号)

思い出

 行方不明になっていた1冊・・・無事発見v・・・ということで、久しぶりに読み直してみましたら・・・うわぁ・・・これ・・・田淵由美子おとめちっく全開の作品集だったのねw・・・「フランス窓~」とか「林檎~」とかがタイトルとしてはものすごく印象に残っておりましたが・・・この本の4本はもう全てが傑作です。

 基本的には全て「フォークソング」の世界・・・恋愛に不器用な女子がいて・・・男の方はそんな子にべた惚れで、でもちょっとした誤解が元で事件が起きて・・・というパターン。
 この作品の前後に描かれている「ちょっと大人の雰囲気」の作品とは違い・・・現実的じゃないかも知れないけれど・・・とっても「読んでいてハズカシイ」ような気持ちが心地よいですw

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2006/01/10

花岡ちゃんの夏休み

  • hanaokachan書名「花岡ちゃんの夏休み」清原なつの傑作集1
  • 著者「清原なつの」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和54年1月10日」

収録作品

  1. 花岡ちゃんの夏休み (りぼん 52年8月号)
  2. 早春物語 ( 〃 53年3月号)
  3. アップルグリーンのカラーインクで ( 〃 52年お正月大増刊)
  4. 青葉若葉のにおう中 ( 〃 52年5月号)
  5. グッド・バイバイ ( 〃 51年10月大増刊)

思い出

 清原なつのさん・・・ちょっと変わった作品を描く作家さんなのですが・・・の、1冊目の作品集・・・まだ、普通の「りぼん作家さん」の「絵」「ストーリー」ですね。

 とはいえ、「花岡ちゃん」シリーズ2作(「~夏休み」「早春物語」)は・・・ヒーロー(?)が「丸ハゲ」だったりして・・・やはり「普通とは違う」登場人物が出ておりますね。
 それに、主人公「花岡ちゃん」が、全編通して「悩んで」おります。

 そんなところが、なんか「生意気盛り」だった、私の心情にぴったりきたのか・・・その後も、この作家さんを追い続けてゆくのでした。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/10/27

あのころの風景

  • tabuti05書名「あのころの風景」
  • 著者「田淵由美子」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和57年4月20日」

収録作品

  1. あのころの風景 (りぼん 56年2月号別冊付録)
  2. 聖夜・粉雪ふりしきる ( 〃 54年12月号)
  3. 聖・グリーンサラダ ( 〃 50年12月号)
  4. マルメロ・ジャムをひとすくい ( 〃 50年3月号)

思い出

 おかしいなぁ?・・・田淵さんの本、一冊見つからない。・・・前回の「林檎ものがたり」とこの本の間に、「夏からの手紙」があるはずなのだが・・・無事に発見できればよいのだけれど・・・

 さて、本題・・・この本は「りぼんマスコットコミックス」で、最後に買った田淵さんの本。(確かこの後、もう1冊出てるはず)・・・高校生になって「りぼん」を読まなくなったってのも主な理由なんだろうが・・・どこかちょっと「私の中でのズレ」を感じたのだろう。

 以前にも書いたけど・・・「大人の恋」を書いている田淵さん・・・どこか話の中に「ドロドロとしたもの」を感じるようになってしまったのです。・・・「夢物語」から「現実の恋」へ・・・それだけ「作家」も「読者」も大人になっていったのでしょう。(私がついて行けなかった?)

 表題作・・・恋人との出会い・・・別れ・・・そしてラストには「別の男性からのプロポーズ」・・・いえ、現実とはそういうものなのですが、それを「りぼん」でやってしまうと・・・「気軽にマンガ」って感じじゃなくなってしまったのでしょうね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2005/10/21

勝手にセレモニー

  • takahashiyukari03書名「勝手にセレモニー」前・後編
  • 著者「高橋由佳利」
  • 出版社「集英社」(りぼんマスコットコミックス)
  • 初版「昭和57年1月19日」①
       「昭和57年2月20日」②

収録作品

  1. 勝手にセレモニー (りぼん 56年4月号~6月号)
  2. ピアニッシモで聞かせて ( 〃 55年6月号) 以上前編
  3. 勝手にセレモニー ( 〃 56年7月号・8月号)
  4. 8日目めの野菜スープ ( 〃 55年11月号)
  5. やさしい訪問者は ( 〃 56年1月号)

思い出

 映画監督を父に持つ「森の宮二詩子」・・・父親に反発(?)して、名門女学院の寮に入ります。・・・入学するための「後見人」は「暗い乙女を救う会」・・・とってもアヤシイ

 寮生達は、学校に内緒で「自主映画作り」・・・父との関係から映画も嫌いな二詩子も、彼女たちに巻き込まれて行動を共に・・・そんな中、彼女たちの映画フィルムが泥棒に狙われて・・・
 そして最後に明らかになる「後見人」の「目的」と「意外な正体」・・・

 ちょと文字で書くと雰囲気違うけどw・・・そんなお話。 

 以前にも書いたけど・・・高橋さんの描く「素直になれない」女の子は良いなぁ。

| | コメント (5) | トラックバック (0)